計算ミスと人間

2021/10/31

■計算の間違えは、間違えない様にするのではなく、間違えを訂正出来る様にする。

 子供の頃、計算を間違えるとよく言われだのが、「ミスしない様にもっと集中しなさい!」です。その時思ったのが、「計算ミスしたいと思ってなんかいないし、集中してない訳でもないのに。」です。小学生までは、まだ計算自体が理解出来ていないのでそれで良いと思うのですが、中学生以降も、ミスしない様にするや集中するだけで計算ミスは無くなっていくのでしょうか。
 元々人間は、間違えずに何かをし続ける能力があるのでしょうか。もっと言えば、計算ミスせずに正解し続けることが、凄い事なのでしょうか。世の中には人為的なミスによる悲惨な出来事が溢れているではありませんか。それも、優秀な経歴の計算ミスをしない人達のミスです。人間は間違えるのです。それが、人間なのです。そうだとすると、計算ミスしない事は凄くはないのです。だって、いずれ人間は計算ミスするのですから。だとすると、現在のある限られた時間内に正解と不正解により判断する大学入試までの俗に言う「試験」と呼ばれる方法は、数学においては不適切ではないでしょうか。評価すべきは、あるルールにおける論理的思考が、問題に対して適切に行えているかどうかなのではないでしょうか。昨今、変化し始めたとは言え、まだまだこの状態は続きそうです。また、計算ミスをしない事は価値がない訳ではありません。実務上は逆に重要な要素ですし、教育における学習でも、ある程度の実行力は必要です。では、計算ミスにどう対処すべきなのでしょうか。
 計算を間違える事を受け止めるのです。計算ミスする事を認めるのです。その上で、計算ミスした際にも訂正できる様にするのです。では、訂正する為には具体的には何をすべきなのでしょうか。特別な方法はありません。元来、解決方法は当たり前な事が殆どです。そう、「確認」するのです。数値計算でも文字式の計算でも、高校になれば微分等の特殊な計算でも、計算のプロセスに「確認」のプロセスを追加するのです。とは言え、限られた時間内に回答しなければならないので、自分の間違えやすい計算や間違える際の条件の傾向などにより、その「確認」のプロセスを簡素化する努力をするのです。また、脳の状態(疲れ具合)や心理状態にもミスは影響を受けるので、それらに応じて「確認」のプロセスを増やすなど、臨機応変に対応するのです。
 計算ミスは根性では決してなくならないのです。

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