日本語と漢字と助詞と理解

2021/12/31

■付属語の中の特に助詞(格助詞)に注意して文章を読む事はとっても大事。

 文章を理解する上でよく言われるのが語彙力だと思います。言葉の意味が分からなければ、文章自体も理解出来ないのは当たり前ですよね。では、それ以上に大事な事はないのでしょうか。
 国語は、知る事と伝える事を学習するのが目的です。そして、知る事、伝える事にはそれぞれ二つの方法あります。知る事には、「聞く」、「読む」があり、伝える事には、「話す」、「書く」です。ここは日本なので、国語とは日本語で、知る事、伝える事を学習する事になります。そして、大学受験などの現代文のテストに限って言えば、知る事の中の「読む」を試されている事になります。
 英語は文字(アルファベット)の組み合わせで意味を表現します。多少の例外はあるものの、また接頭語、接尾語によりある程度の意味や品詞は推測出来るとしても、基本的には一つの文字で意味を表現する事は出来ません。これに対して日本語は「漢字」により一文字で意味を持たせていて、その一文字の意味を保持したままで、それらを組み合わせてより複雑な内容を表現しています。この意味する事は、「読む」事を前提にすれば、言葉の意味をある程度の確度を持って類推できると言う事です。従い、英語は最終的には語彙力と言い切れますが、国語、すなわち日本語の「読む」に限って言えば語彙力とは言い切れないのです。
 英語は、単語の形と順番で文書の中の単語の役割を表現してます。それに対して日本語は、付属語の中の助詞(格助詞)で単語の役割を表現します。英語は、次に来る単語の文書中の役割が事前にある程度推測出来ますが、日本語は何が来るのか事前には推測出来ないのです。この事の意味する事は、事前に類推してその類推に基づき文書を理解する事自体が文書を理解する事に対して、間違えの原因になると言う事です。
 現代文の理解において最も大切な事は、語彙力は当然ながら大切なのですが、それ以上に付属語の中の助詞(格助詞)を意識して文章を読む事です。

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